USJで経験した人生最大の恐怖体験とは!?
まず始めに断っておくと、僕は絶叫マシンが苦手です。
遊園地の定番とも言えるジェットコースター、人生でほとんど乗ったことがありません。
きっとこれを読んでいる人の中にも、同じように苦手な人が居るのではないでしょうか?
具体的に何が苦手なのかというと、まず高いところに昇ったあとの、一気に落ちる感覚。
あれです。
ジェットコースターに乗った経験のある方なら分かって頂けると思います。
お腹の中がふわっと浮くような。
内臓を何かに持っていかれてしまうような。
あの感覚です。
今日は、そんな僕が二度と絶叫マシンに乗らないことを誓った…あの夏の日の出来事をお話します。
ある夏の日のUSJ
僕は去年の夏、大学時代の友人3名と、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへ行って参りました。
社会人になってから初めてUSJへ行くという、なんとも勿体無い大学時代を過ごしたかもしれません。
まあ、そもそも僕がそんなに遊園地が好きではなかったせいではあるのですが。
それはさておき、友人達は皆絶叫マシンが好きなわけです。
早速、ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドというジェットコースターに乗ろうということになりました。
せっかく友人達と遊びに来ているのだし、僕は嫌とも言えず、一緒に列に並びました。
世間は夏休み。
USJはそれなりに混んでいます。
2時間ほどの待ち時間だったでしょうか?
すぐ頭上には、これからまさに僕たちが乗ろうとしているジェットコースターが駆け抜けて行くわけです。
悲鳴を上げながら空から落下していく人間たち。
一体あれのどこが楽しいというのか。
到底、愉快な気持ちにはなれません。
迫り来る恐怖と闘いながら鉄の塊とそれにしがみつく人たちを睨みつけていると、友人の一人が僕に言いました。
「や、でも一番前とかじゃなかったら、そんな怖くないと思うよ?」
そういうものなのか。
あまり経験の無い僕には分からないが、きっとそういうものなのだろう。
座席が一番前になる確率がおそらく限りなく低い。
それならきっと大丈夫か。
そう自分に言い聞かせ、残りの待ち時間は友人たちとの雑談に費やしました。
そしていよいよ、自分たちの搭乗の番がやってきます。
直前で抜けることも出来ましたが、せっかく長い時間を待ったのだし、自分だけ抜けるというのもなんだか白けることでしょう。
覚悟を決め、一歩を踏み出しました。
係員に案内され、搭乗する座席まで歩を進めます。
僕たちの前には誰もいません。
「あれ…?」
なんだか嫌な予感がする。
一番奥まで案内される。
座席に座らされる。
これって…これって…
「一番前やんけ!!??Σ(゜Д゜)」
さっきのは何のフラグだったんだ友人よ。
できることなら回収して欲しくなかった。
「よく知らないが、一番前って相当怖いんじゃないか…?」
そうは言っても時すでに遅し。
覚悟を決めるしかない。
数少ない過去のジェットコースターに乗った経験からすると、このあと頭上からガチャットとバーのようなものが下りてきて、上半身が固定されます。
そう思っていました。
が、実際は、前から足の間にバーを倒してきて、なんかこう、下半身が固定されるみたいな感じ。
えっ、これって下半身がすっぽ抜けたらそのまま地面に激突してお陀仏では?
そんなことを考えながら覚悟を決める間もなく非情にも稼働を始める冷酷な鉄の塊。
行ってらっしゃーいと手を振る係員さんの笑顔がまるで罪人を断罪するサタンの微笑に見えるぜ。
このジェットコースターは耳元からBGMが流れ、手元で操作して好きなBGMに変更できるという仕様であったが、とてもじゃないがそんな余裕は無かった。
というか結構な大音量で流れるため正直うるさい。
どうやってこの人生の危機を乗り越えようか考えている間に、機体は徐々にてっぺんまで上り詰める。
あとは下り坂の人生よろしく急降下していくだけ。
ストップもリセットもできない。
ハッピーエンドかゲームオーバーか、その二択だ。
僕は覚悟を決めて目を閉じた。
これしかない。
眼下に広がるゴミのような人間たちが散りばめられたこの景色を眺めながら平然を保っていられる余裕は無い。
次の瞬間、身体全体をものすごい爆風のような衝撃が襲う。
まさに地上へ真っ逆さまに落ちるかのような感覚に苛まれながら、僕はこのジェットコースターに乗ったことを全力で後悔していた。
やはり、付き合いが悪かろうが何を言われようが、乗るのをやめておけば良かった。
とは言っても後の祭り。
調子に乗ったこの殺戮マシーンを止めるよう説得する術など、僕には残されてないのだから。
そして、なんとかこの恐怖の時間を耐え抜くために僕が取った方法はというと…
『失神のポーズ』である。
つまり、目をつむり、腕はダランと下げ、首を45度に傾け、声を一言も発すること無くこの数分間の悪夢を乗り切ったのだ。
というより発する余裕が無かったというのが正しいか。
記憶では僕の最も苦手とする上から下へ落ちる感覚が、5~6回あったように感じる。
その感覚に陥るたび僕は後悔すると共に「まだあるのかよ!?」と心の中で叫んでいた。
地獄の数分間が終わりようやく僕たちは地上へと舞い戻る。
僕らを出迎えてくれる係員さんの笑顔はまるで聖母マリアだった。
何はともあれ、現実と地獄の狭間から無事に生還することが出来た。
それだけでも今日は良しとしよう。
フラフラになりながらも機体を降りる。
そして、その時に僕が考えていたことはただ一つだ。
「もう二度とジェットコースターには乗らないことにしよう」
余談だが、後で友人にジェットコースターの感想を聞いたところ、「思ってたよりレベル高いやつだった」ということでした。
やっぱり初心者の僕が乗るんじゃなかったよ!!!